フリーアナウンサー 池谷賢一の読み語り語録
私が進めている事業の一つ 小学校6年生対象の
『朗読教室』で子どもたちに言っていることには
次のことがあります
お話を深く読み込む・想像を働かせお話を絵にして見せる
一日 10分の音読を3週間続ける
姿勢を正しく 腹式呼吸で呼吸を整えてから ゆっくり おおきく発声
一つ一つのことばをはっきり発音する
絵本のお話をくり返し聞くことで
・絵本のお話にふれるということは、例えて言えばこちらの町から
あちらの 町へ橋を渡っていくようなもので、行く先には
新しい発見があったりして新鮮な空気を感じ、ちょっとした
わくわく感にひたれたりもする。
今こそ大人にも絵本を声に出して読んでもらいたい
絵本の深い味わいが心に沁みこむ悦びの時間、
それは何にも代えがたい現実物語です
・感じる心を深めていく
・豊かな感性を育み、想像と想像力を伸ばす
・新しことばとの出会いによって言葉の数が増え、
考える力がつく
・自分の考え 自分の気持ちをこれまで以上にきちんと
相手に伝えられるようになる
・響きのよいことば、美しい言葉と出会いによって言葉の
感覚が磨かれてきます
・多様なテーマとことばの出会いが人間の生き方、考え方、
知識を深め人間を変質させる。変わるということは
いいことです。
・お話を聞く楽しさ、感動が子どもたちの心をふくよかに
解放し、心が洗われ耕されてお話から生き方を学び、
生きる力をもらう
・様々なジャンルや作者のテーマに出会うことで世界や
宇宙を理解するのに必要な知識や考え方が得られる
・自分を見つめ、友だちや家族との関係、地域や周りの
人たちとの関係(社会との対応)について探求し、
いじめや偏見についても考えるようになる
⇒ 自分と向き合う心 相手向とき合う心 社会と向き合う心
・文章の意味を読み解く力がつく
・お話を聞きのがすまいという気持ちが集中力をつける
・お話の範読にくり返し接することで、読み方を
勉強すれば自分も、あのようにスラスラ読める
ようになるという自信を持てるようになり、
表現力を高めていくことになる
・他の本も読んでみたいという気持ちになり、
読書へ向かう心が強くなる
池谷メモ
絵本の読み語りから
物語の人物の生き方に自身の生き方を重ね合わせ、自らの
生き方を見つめ直し、自己再生の道を探る。
五感をしっかり働かせて対象を見つめることです。
そこから作品に切り込んでいき、何が問題か気づく
ことになります。
そして 見える形、聞こえる形、分かる形で相手に伝える
ことです。
以下は 近頃、私の眼にとまった文章です
大地は、自然の色 緑の衣装を身につけなければいけません
(資源と環境を守る会議で述べたマータイの言葉。世界の女性で
初めてノーベル賞を受賞。もったいないの言葉を世界に広めた)
生き返ったような朝涼の風に撫子の花が揺れ、京の空は
みずみずしく開けていく。-----細い三日月が池の表に
砕かれて映っている。水草に蛍が光るようである。
たそがれどき かわたれどき 色も菊の色も移り-------
今、昔、月に形は変わらねども思いはてなん この月の月
“絵本は語られて絵本になる“
福音館書店 松井社長さんのことばです
語り手は絵を説明するのではなく、情感をこめて語ることです。
語られた時、こどもたちの心に質的な変化が起こります。
変質するのです。それは子どもたちを成長させます。
もともと選れた絵本にはそういう力があります。ですから
語り手は お話を信じることからは始めましょう。そして
こどもたちを信じ、語り手である自分を信じることです。
そうすれば語ることが楽しくなります。
お話を語るということには多様な意味がありますから
お話の場が多く提供されることが望ましいのですが、
そうした機会にあまり恵まれない地域もあります。
ですからそのような地域を少しでも解消できればとの
思いから、私は読み語りボランティア活動に関心の
ある方、始めてみたい方、自分に 出来るだろうかと、
ためらっておられる方の相談相手として研修講座を
設けています。幸いこの度、みちのく貢献基金様が
私どもの事業活動を応援して下さることになり、
心から感謝しております。
マザーテレサの瞳
死にゆくひとのかたわらに、ただ寄り添って手を握りつづける
ことの意味をー―――言葉が多すぎます
といって1997年 その人は去つた